NEWS・COLUMN
新着情報・コラム
-
エネルギーを「つくる企業」へ。太陽光発電で描く持続可能な未来
太陽光発電と地域社会 ― 地域とともにエネルギーを育てる ― 再生可能エネルギーの導入が進む今、太陽光発電は地球のための選択であると同時に、 地域の未来を支える仕組みとしても注目されています。 私たちは、単に発電設備を提供するだけでなく、 地域の土地・企業・人の力をつなぎながら、持続可能なエネルギーづくりを目指しています。 地域と経済を循環させる、太陽光発電という選択 太陽光発電は「地域経済の新しいインフラ」と言えます。 遊休地や工場の屋根など、地域にある使われていない資源を活かして電気を生み出し、 それを地域内で消費・還元していく。 たとえば―― ・地元企業の屋根を活用した自家消費型太陽光発電による電気料金削減とBCP対策(※) ・遊休地を利用した売電モデルによる資産活用 ・災害時の非常用電源としての地域貢献 エネルギーを「地域でつくり、地域で使う」ことが、 地域の経済を動かし、安定した暮らしを支える基盤となります。 ※BCP対策:Business Continuity Plan(事業継続計画)の略。災害や停電などの緊急時にも事業を止めずに継続するための取り組みのこと。 企業の持続可能性を高める、太陽光発電のかたち 太陽光発電と一口に言っても、その活用方法はさまざまです。 企業の課題や目的に合わせて、最適な導入スタイルを選ぶことが大切です。 ∟ 自家消費型太陽光発電 「電気代を削減したい」「脱炭素経営を進めたい」企業におすすめ 発電した電力を自社内で使用するタイプ。 電力会社からの購入量を減らせるため、コスト削減とCO₂削減の両立が可能です。 製造業・物流業・店舗運営など、電力使用量の多い業種で導入が進んでいます。 ∟ 余剰売電型(自家消費+売電併用) 「初期費用を抑えながら運用したい」「長期的な収益を見込みたい」企業におすすめ 発電した電力を自社で使いながら、余った分を売電するハイブリッドタイプ。 安定的な収益を確保しつつ、経済性と環境性の両方を実現できます。 ∟ PPAモデル(第三者所有型) 「初期費用をかけずに導入したい」企業におすすめ 設備を第三者が設置・所有し、企業はその電力を一定価格で購入する仕組み。 初期投資が不要で、リスクを抑えながら脱炭素経営に貢献できます。 ※PPA(Power Purchase Agreement):発電事業者が設備を所有し、企業は電力のみを購入する契約形態。設備費やメンテナンス費用の負担がないのが特徴です。 エネルギー戦略が、企業価値を変える 太陽光発電の導入は、単なるコスト対策ではありません。 エネルギーを自ら生み出す企業という姿勢は、 これからの時代に求められる「持続可能な経営」の証です。 SDGsやRE100など、環境配慮を重視する社会の流れの中で、 太陽光発電は企業のブランド価値を高め、次世代への信頼を築くエネルギーです。 地域と企業の未来を照らすエネルギーへ 太陽光発電は、環境を守るための選択であり、 同時に企業の未来を支える経営戦略でもあります。 地域の中でエネルギーをつくり、活かし、循環させる。 その取り組みが、地域社会と企業の双方に持続可能な力をもたらします。
2025.11.13
-
海外の最新太陽光事情 ― 世界の動きから学ぶ日本の未来
導入 日本でも太陽光発電の普及が進んでいますが、海外ではさらに一歩進んだ先進的な取り組みが数多く行われています。各国の事例を知ることで、日本での活用のヒントを得ることができます。 海外事例 ・ドイツ:固定価格買取制度を早期に導入し、再生可能エネルギー先進国としての地位を確立。住宅や中小企業の自家消費モデルが進んでいます。 ・中国:太陽光パネルの生産量で世界一。規模の経済によりパネル価格を引き下げ、世界的なコスト低下を牽引しています。 ・アメリカ:大規模メガソーラーの開発が加速。EV(電気自動車)との連携や再エネ電力の直接契約(PPA)が広がっています。 ・中東:砂漠地帯を活用した超巨大プロジェクトを展開。再エネを活かした水素製造にも注力しています。 国内での動き 日本でも海外の流れを受け、徐々に活用の幅が広がっています。 ここでは「大手企業」「自治体」「農業分野」の3つの側面をご紹介します。 ・大手企業:工場や物流拠点に自家消費型太陽光を導入し、電力コスト削減と同時に「再エネ利用率」を開示する動きが強まっています。 ・自治体:公共施設や学校の屋根にパネルを設置し、災害時の非常用電源としても活用。地域全体のレジリエンス強化につなげています。 ・農業分野:営農型太陽光(ソーラーシェアリング)が広がりつつあり、土地の有効活用と再エネ導入の両立が模索されています。 ヒント(日本への示唆) こうした海外・国内の動きを踏まえると、日本においても「EVとの組み合わせ」や「大規模蓄電池の活用」が今後の重要テーマとなることが分かります。また、再エネ調達は企業の脱炭素経営やESG対応の観点からも避けて通れない課題となってきています。 導入の方向性 日本での主な導入モデルには以下のようなものがあります。 ・自家消費型太陽光発電:工場やオフィスの屋根に設置し、自社の電力需要をまかなうモデル。電気代削減と同時に、再エネ比率向上を図れます。 ・野立て太陽光発電:遊休地や広い土地を活用して発電し、売電やPPA事業に活かすモデル。長期的な投資対象として注目されています。 導入目的によって、最適なスキームや投資回収の考え方が異なるため、事前にシミュレーションを行い、自社に合ったモデルを選択することが重要です。 まとめ 海外の先進的な事例から学べるのは、「太陽光発電は単なるエネルギー源ではなく、経営戦略や街づくりの一部になり得る」ということです。日本でも、企業・自治体・農業分野などで導入が進んでおり、自家消費型や野立てといった多様な手法を組み合わせることで、持続可能で競争力ある未来を築いていくことができます。
2025.9.18
-
企業が太陽光を導入する前にチェックすべき5つのポイント
はじめに 電気代の高騰や脱炭素の流れを受け、企業にとって「エネルギーコストの見直し」は避けて通れない課題となっています。 その中で注目されているのが太陽光発電の導入です。自社の屋根や敷地にパネルを設置することで電気代を削減でき、さらに環境経営への取り組みを社外にアピールすることも可能です。 しかし、太陽光発電は“ただ設置すればいい”わけではありません。導入後に「思ったより発電量が少なかった」「メンテナンス費用が予想外にかかった」とならないよう、事前に押さえておくべきポイントがあります。 今回は、企業が太陽光を導入する前に必ずチェックしておきたい5つの視点をご紹介します。 ヒント|導入前に確認すべき5つのポイント 1. 設置環境(日当たり・屋根強度・敷地条件) 太陽光パネルは“置ければいい”というものではありません。屋根の向きや角度、周辺の建物や木々による影の影響で発電量は大きく変わります。また、古い建物では屋根の耐久性や耐荷重の確認も不可欠です。 <理想的な設置条件の例> 屋根の向き:南向き 屋根の角度:30度前後 周辺環境:高い建物や木がなく影の影響が少ない 広さ:十分なパネル枚数を確保できるスペース ⇒ 専門家による現地調査で「自社にとって最適な設置環境」を確認しましょう。 2. 初期投資と回収シミュレーション 太陽光発電は、数百万〜数千万円規模の投資となるケースもあります。重要なのは「どのくらいで投資回収できるか」をシミュレーションすることです。 「数字で見える化」することで、経営判断がしやすくなります。 3. 補助金や税制優遇の活用 国や自治体では、太陽光発電導入を後押しする補助金や税制優遇が整っています。代表例としては、「導入時の補助金」「即時償却」や「固定資産税の軽減」などがあります。 ⇒制度は毎年変更されるため、「どんな種類の支援策があるか」を押さえたうえで必ず最新情報を確認することが重要です。 4. メンテナンス体制 太陽光発電は“メンテナンスフリー”ではありません。定期的な点検やパネル清掃、機器の交換を怠ると発電効率が低下し、投資回収に影響します。 <メンテナンスの目安> 定期点検:年1回 パネル清掃:2〜3年に1回(粉じんが多い地域は毎年) パワーコンディショナー交換:10〜15年ごと 常時監視システム:異常の早期発見に有効 ⇒ 「誰が・いつ」対応するのかを事前に決めておくことで、長期的に安心して運用できます。 5. 将来の電力需要 現在の使用量だけでなく、今後の事業計画に伴う電力需要増加も見据える必要があります。 <検討ポイント> 工場・事業所の増設予定 EV社用車や電動機器の導入 高負荷設備の追加 DX推進による機器稼働時間の増加 ⇒ 「10年後の電力ニーズ」を見越して余裕を持った設計をすることで、後悔のない投資につながります。 まとめ 太陽光発電は、単なる節約策ではなく、企業経営における中長期的な戦略のひとつです。 電力コストの削減にとどまらず、環境経営の推進や事業継続性の強化といった観点でも大きな価値を発揮します。 導入にあたっては「設置環境」「投資回収」「制度活用」「メンテナンス」「将来の電力需要」という5つの視点を押さえておくことが欠かせません。 これらを整理することで、導入効果をより確実なものにできます。 今後のエネルギー戦略を考えるうえで、今回のチェックポイントを社内検討のベースにしていただければ幸いです。
2025.9.8
-
太陽光パネルの研究・開発 【後編】
前編(7/31公開)では、既存の太陽光発電と進化系パネルによる新しい太陽光発電についてご紹介しました。 後編では、太陽光発電の研究や取り組み・開発についてご紹介いたします。 【後編】 1. 反射光を利用した両面発電 2. 太陽電池の発電効率を高める取り組み 3.有機系太陽電池 4.まとめ ======================================================== 1.反射光を利用した両面発電 前編で紹介した夜間での太陽光発電以外に、両面発電の研究・開発も進んでいます。 ≪一般的な太陽光パネル≫ 一般的な太陽光パネルは、太陽電池の並んだセルストリングの裏面に樹脂バックシートを取り付け、 表面に封止材と光を通す強化ガラスを取り付けます。前回コラムで掲載しましたが、発電効率は低く、 設置場所も限られます。そのため、いかにして発電効率を上げるかがカギとなっています。 ≪両面発電パネル≫ 近年では、パネルの両面を活用した両面発電が普及してきました。 両面パネルの場合は、裏面も表面と同じく封止材と光を通す強化ガラスが取り付けられており、地面 からの反射光などを裏面から吸収し、発電します。 また、この両面発電パネルは垂直に設置することもできるため、フェンスなどへの設置も可能で、 地表が白いほど強い反射光が得られるため、積雪地帯や砂地での設置も可能です。 ※両面パネルを設置した場合は、地面やパネルより下の位置にある壁などから反射された光を裏面のセルユニット から吸収できます。そのため、設置場所の状況によっては、発電効率をアップさせることも可能です。 直達光:太陽からの直線の光 散乱光:物質に光があたったときにあちこちに反射される光 反射光:地面や、光が当たっている面から一定に跳ね返ってくる光 2.太陽電池の発電効率を高める取り組み 前編で、夜間ソーラーなど新たな発電形態について紹介してきましたが、後編では、太陽電池の 発電効率を向上させる取り組みも加速しています。 ≪カメレオン発光体の応用≫ 太陽光パネルに使用されているシリコン太陽電池に関する研究は、長い歴史の中で最終形態に 近づいており,その変換効率を劇的に向上させることは困難です。 そこで、北海道大学は2015年に、温度変化によって発光色が変わる「カメレオン発光体」の 技術を太陽電池に応用し、発電効率を向上させることに成功したと発表しました。 カメレオン発光体を含んだフィルムを従来型の太陽電池に貼ることで発電効率を向上させる ことができます。さらに耐久性も向上(10年使用可能)することがわかりました。 ※太陽電池は安全な次世代エネルギー源として,注目されています! この研究は、火力発電や原子力発電と比べて発電効率が低いという太陽電池の課題改善に 大きく寄与すると期待されています。 3.有機系太陽電池 現在主流の太陽電池は、シリコンなどの無機物を利用するため製造工程のどこかで高温に する必要や、真空装置を使う必要があります。しかしながら、常温・常圧で製造できれば、 その分コストダウンが可能になります。 そこで研究が進んでいるのが、有機物を用いた太陽電池です。光を吸収する色素と電解質の 層を持つ色素増感太陽電池や、『ペロブスカイト』と呼ばれる結晶構造を持つ材料を用いた ペロブスカイト型太陽電池など様々な開発が進んでいます。 ≪ペロブスカイト太陽電池≫ 色素増感太陽電池は色素の可視光を吸収する作用を利用して発電する独立型電源です。 塗布や印刷技術で量産できることから低コスト化が期待できます。また、ゆがみに強く、 軽量化が可能であるので、これまでシリコン太陽電池では設置できない場所に設置でき ることが期待されます。性能面でもすでに、シリコン太陽電池に匹敵するエネルギー 変換効率を達成しており、製造が比較的簡単で、低照度の光環境においても効率よく 発電できるとされています。また、無機物で構成された太陽電池よりも安価に量産 できると期待されているため、本格的な実用化に向け世界中で研究が進んでいます。 4.まとめ 太陽光発電の新たな展開として、夜間発電などの事例を紹介しました。 これらの新技術は省エネを導き、既に実用化が進む技術もある一方で、まだまだ 試作段階なのが現状です。太陽光発電の新技術(夜間発電や両面発電、カメレオン 発光体を使った太陽光パネル等)、世界中で使用可能になれば、昨今のエネルギー 問題に大きく反映されることが期待されます。
2023.8.30
-
太陽光パネルの研究・開発
太陽光発電で最も重要な物と言えば、太陽光パネルです。 太陽光パネルを使った「夜間発電」や、研究・開発が進む太陽光発電の「進化系パネル」の 数々について、前編・後編の2回に分けてご紹介します。 ◇もくじ 既存の太陽光発電の仕組み -1. 太陽光発電とは -2. 既存の太陽光発電の課題 進化系パネルによる新しい太陽光発電 -1. スタンフォード大学の研究 -2. オーストラリアの研究 3. まとめ 公共施設や住宅屋根、遊休地など様々な場所で設置されている太陽光発電。 国内での導入は企業・個人ともに着実に伸びており、広く普及してきています。 ただ一方で、「夜間は発電できない」「設置場所に限りがある」といった課題もあります。 そんな中で近年、太陽光発電が更なる普及に向けて、新たな進化を遂げつつあります。 どのような新技術の研究・開発が進んでいるのでしょうか。 1.既存の太陽光発電の仕組み -1.太陽光発電とは、シリコン半導体などを用いて、太陽の光エネルギーを太陽電池によって 電気に変換する発電方法です。「エネルギー源=太陽光」なので、通常利用しない屋根や 壁といった日光のあたるスペースを活用できるというメリットがあります。 一方で課題も山積です。 -2.既存の太陽光発電の課題 ①時間帯により発電量が左右される。 同じ太陽光パネルでも、日照時間の長さによって発電量は変化します。夜間には太陽の 光エネルギーが得られず、発電施設を稼働させることができません。太陽が出ている 時間は発電していますが、それ以外の時間帯は発電していません。 ②気温により発電効率が変化する。 一般的に太陽光パネルは高温に弱いとされ、結晶系の太陽光パネルは1℃上昇で発電効率が 0.4%低下してしまいます。 ③気象条件により発電量が左右される。 晴れの日が続きやすく気温が10℃から20℃の3月~5月は発電量が高くなる時期ですが、 晴れの日に比べて曇りの日は発電量が50%ほどに低下してしまうため、梅雨の時期は 発電量が減少すると言われています。 ④季節により発電量が左右される。 冬は春や夏場より日照時間が短いため発電量が減少します。 ⑤諸外国との比較 1kW当たりのシステム価格は年々低下していますが、国内における太陽光発電のシステム 費用は諸外国と比較すると高く、今後更なるコスト低減が求められています. 一方で、太陽光発電の発電効率は15%程度に留まり、火力発電の発電効率の半分以下の数字 となっています。前述でも書いているように発電量当たりのコスト低減を求められている今、 発電効率の向上を目指していくべきです。 2.進化系パネルによる新しい太陽光発電 発電設備の有効活用やコスト、発電効率など様々な課題がある既存の太陽光発電ですが、 近年、課題の解決に向けて様々な新技術の研究・開発が進んでいます。 -1.スタンフォード大学の研究者は、2022年4月に、市販のソーラーパネルに改良を加え、 夜間の発電に成功したと発表しました。物体が夜間に空を向いていると、宇宙空間に 熱を放射するため、気温と物体に温度差が生まれます。 この放射冷却の性質を利用してエネルギーを作り出すことによって、発電を行うことに 成功しました。(図1) -2.オーストラリアの研究チームも、放射冷却を利用した夜間発電と同様の原理で、 地球から宇宙に放たれる地表の熱を利用した夜間ソーラー技術の実験に成功したと 発表しています。地表の熱は夜間に赤外線の形で宇宙に向けて放出されます。 この研究では、発電出力はソーラー発電の10万分の1と弱い規模に留まり、発電効率 も低いとされていますが、半導体素子を改善することで将来的にはソーラー発電の 10分の1ほどにまで出力を高めることができると期待されています。(図2) 上記のように各国各機関の研究で改良したパネルの夜間の発電量は現段階では少量ですが、 夜間の照明や機器の充電、センサーなど低出力密度の用途には有効とされ、夜間に必要な 電力を一定程度賄うことができると期待されています。 3.まとめ 現在、太陽光発電の新たな展開として、夜間発電などの研究・開発が各国で進んでいます。 これらの新技術は既に実用化されているものもあります。 次回、後編では反射光を利用した両面発電等について紹介します。
2023.7.31
-
自家消費型太陽光発電の重要性
現代社会では、持続可能なエネルギーの利用がますます重要視されています。その中でも、自家消費型太陽光発電は、 環境への負荷を軽減しながら経済的な利益をもたらすエネルギーの形態として注目されています。 なぜ今自家消費型太陽光発電が重要なのかについてお話ししたいと思います。 ◆もくじ 1.自家消費型太陽光発電とは 2.自家消費型太陽光発電のメリット 1)温室効果ガスの削減 2)再生可能エネルギーの活用 3)電力供給の安定性 4)環境への負荷軽減 5)CO2削減への対策 3.蓄電池のメリット 4.まとめ 1.自家消費型太陽光発電とは 自家消費型太陽光発電とは作った電気を売らずに、自社施設で使用するための太陽光発電システム。 自分たちで電気を作ることで、電力会社から購入する電気を削減できます。自家消費型太陽光発電は 作った電気を自家消費するため、電力会社から購入する電気が少なくなり、電気料金の削減につながります。 2.自家消費型太陽光発電のメリット 1)温室効果ガスの削減 地球温暖化と気候変動の問題が深刻化する中で、温室効果ガスの削減は課題となっています。自家消費型太陽 光発電は、太陽光を利用して電力を生成し利用するため、化石燃料に頼らずに温室効果ガスの排出を抑えるこ とができます。これにより、地球環境の保護と持続可能な未来に貢献します。 2)再生可能エネルギーの活用 自家消費型太陽光発電は、再生可能エネルギーの一形態として位置付けられます。太陽光は無尽蔵のエネルギ ー源であり、太陽光発電システムを使用することで、持続可能な電力供給が可能となります。再生可能エネル ギーの利用は、将来のエネルギー安定供給につながるだけでなく、エネルギーの輸入依存度を減らし、エネル ギーコストを抑制することも期待できます。太陽光発電システム設置コストは大幅に低下しており投資回収期 間も短くなっています。 3)電力供給の安定性 自家消費型太陽光発電は、地域の電力供給の安定性を高める役割も果たします。分散型の発電システムとし て、多くの家庭や施設に太陽光パネルが設置されれば、需要と供給のバランスを取りやすくなります。また 、自然災害などで電力供給が途絶えた場合でも、自家消費型太陽光発電による自給自足システムが機能し、 基本的な電力の確保が可能となります。 4)環境への負荷軽減 自家消費型太陽光発電は、エネルギー生産に伴う環境への負荷を軽減する面でも優れています。化石燃料によ る発電では、大気汚染や酸性雨、水質汚染などの環境問題が発生しますが、太陽光発電はそのような問題を抱 えません。 5)CO2削減への対策 自家消費型太陽光発電が注目される理由には、こうしたCO₂の削減を企業の評価基準に置く脱炭素時代という 現代の潮流があります。脱炭素に取り組まないことで、CO₂排出に配慮がない企業とマイナス評価が下される恐 れすらあります。脱炭素と企業は今や密接につながっています。脱炭素時代においてCO2削減に取り組むこと が企業の価値を高める手段として非常に有効です。自家消費型太陽光発電に導入によってCO2排出量を削減す るという環境価値を生み出します。この取り組みを企業としてのCSR(企業の社会的責任)活動として対外的 に伝えることで、企業評価の向上につながります。さらに二酸化炭素の排出量の削減に貢献するやり方があり ます。それが、自家消費型太陽光発電と蓄電池をセットで導入することです。ここからはそんな蓄電池につい てお話していきたいと思います。 3.蓄電池のメリット 蓄電池を使用することで、化石燃料に頼らずに電力を供給することができ、二酸化炭素の排出量の削減に貢献 します。これにより、温室効果ガスの排出量の削減や気候変動の緩和につながります。また自家消費型太陽光 発電で発電された電力を蓄電池に貯めて使用することで、電力会社からの購入電力量が減少し、電力料金の削 減が期待できます。また、需要ピーク時の電力料金の高騰を回避することも可能です。蓄電池技術は急速に進 化しており、コストの低減と性能の向上が進んでいます。蓄電池を使用し、充放電を制御することで、電力の 需要が予測できない場合や緊急時には、蓄電池の容量を活用して需要への対応が可能となります。さらに蓄電 池を利用することで、太陽光発電の出力変動によるバッテリーの負荷を軽減し、バッテリーの寿命を延ばすこ とで太陽光発電システムの長寿命化に寄与します。 4.まとめ 自家消費型太陽光発電システムを自社設備で使用することは、緊急時だけでなく平常時においても有効な手段 です。蓄電池と組み合わせ使用することで、雨天や夜などの発電しない時間帯の電気も貯めておくことができ ます。 自家消費型太陽光発電システムや蓄電池の設置については、弊社にご相談下さい。
2023.5.31
-
電力需要管理の最新技術!デマンドコントローラー
これからの季節、冷房を使用することが多くなると思います。今現在問題になっている電気代高騰も あり例年よりも電気代が上がることを不安に思っているのではないでしょうか。そこで空調機の動きや 状態(室温)を自動で監視してくれる電力抑制システムがあります。それがデマンドコントローラーです。 今回は電気代の削減にも役立つデマンドコントローラーについて解説していこうと思います。 もくじ 1. デマンドコントロールとは 1)デマンド値とは 2. 太陽光発電と蓄電池 1) ピークカットとは 2) ピークシフトとは 3. まとめ デマンドコントロールとは 事業で使用する電力量の監視・調整を通じて消費電力量を計画的にコントロールする仕組みです。 デマンドコントロールは、無駄な電力消費を抑えることで電気代削減になります。とくに高圧電力契約を結んでいる場合に 高い効果を発揮します。デマンドコントロールによって電気代を抑えるためには、デマンド値が重要。 1)デマンド値とは デマンド値とは30分間の平均使用電力のことを指します。電気代の削減は、電力量の使用ピークを、監視・制御することがカギ! 電気代の基本料金は、過去1年間のピーク消費電力=最大デマンド値をもとに決定されます。一瞬でも対応が遅れ、 最大デマンド値を超えると、基本料金がアップする仕組みになっています。つまり、デマンド値を監視し、最大デマンド値を 超えそうな場合に、電力消費を調整して デマンドを抑えることで、電気代の基本料金の抑制、削減ができるということです。 電力消費の影響が大きい箇所から局所的に電力を削減すると効果的です。このように施設の省エネ化と創エネ化に取り組むことで、 効率的にデマンド値を下げることができます。 2. 太陽光発電と蓄電池 デマンドコントロールシステムやデマンド監視による電力使用の効率化と併せて検討したいのが「太陽光と蓄電池」です。 1) ピークカットとは デマンドコントロールの仕組みを活かす手法としてピークカットが注目されています。ピークカットを行うには、太陽光発電と蓄電池の 設備を利用します。太陽光パネルで発電した電気を、自社で使用することで電力会社から電気を買う必要がなくなり、その分デマンド値を抑制できます。 2) ピークシフトとは 昼間は夜間と比べて電気の需要量が多いため、一般的に電力会社の電気使用料金は昼間が割高、夜間が割安に設定されています。 蓄電池を活用することで、夜間の割安な電気を購入して蓄電池に貯めておき、昼間に消費する電力の一部をまかなうことが可能です。 このように電力消費が増える昼間を避けて、朝や夜間に電力を消費する(貯める)ことを、ピークシフトといいます。 ピークシフトに寄って、デマンド値の上昇が抑えられます。企業・法人が太陽光発電システムを導入し、発電した電気を自ら使用する「自家消費」は、 メリットがあります。太陽光発電を活用すれば電力会社から購入する電力量そのものを減らせるため、より直接的な電気代削減に繋がりやすいです。 まとめ 脱炭素社会に向けた動きが強まるなか、空調設備のムダな電気使用を抑え、CO2排出量を削減しながら環境への取り組みとしても注目されています。 安い設備投資ではありませんが、今後メリットはあると考えてます。
2023.4.28
-
今注目の蓄電池!
再生可能エネルギーとして注目を集める太陽光発電システム。 太陽光発電システムの利点は、自宅やビルなどの屋根に太陽光パネルを設置し、発電した電力を家庭に届けます。 しかし日照量や天候に左右されるため、常に安定した電力供給ができるわけではありません。 そこで蓄電池が活躍します。皆さんは蓄電池とは何かをご存じですか?蓄電池と言っても種類は幾つかありますが、 そもそも蓄電池とは何か?からお話をして行こうと思います。 もくじ 蓄電池とは 1. どんな機能? 2. メリットは? 3. 災害時に大活躍! まとめ 1. どんな機能? まずは蓄電池とは、どのような機能を持った設備なのか? 蓄電池とは、何度も充電・使用できる電池のことで、太陽光発電システムとの連携をはじめ、家電製品や電子機器など さまざまな場面で用いられています。スマートフォン、ノートパソコン、デジタルカメラ、ハイブリッド車、 再生可能エネルギー装置など、多々あります。 蓄電池には、規模、使用場所によって家庭用蓄電池と産業用蓄電池に区分されていて価格も50万~200万円と様々です。 家庭用蓄電池は、一般住宅向けに設計・開発された蓄電池のことで、1m以内のコンパクトサイズになっている為、 どの一般住宅にも設置しやすいという特徴があります。家庭用蓄電池の容量は1kwhや5kwhなど各メーカーが多種多様なタイプを 用意しているので、住宅用太陽光発電の出力に合わせて設置可能です。 2. メリットは? 次に蓄電池設置の主なメリットの話です。一番のメリットは電気代を抑えられる点です。電力会社から供給される電気を蓄え、 電気使用量の多い時間帯に放電することで電気代を抑えられます。最近では、太陽光発電システムと連携できる蓄電池が 開発・販売されているので、発電した電気を蓄えられます。さらに、蓄電池の技術が進歩し、より効率的で長寿命な蓄電池が 開発されており、太陽光発電システムと蓄電池を導入することで、より環境にやさしく、経済的な電力供給が可能です。 太陽光発電システム単体では、太陽光を電気へ変換・交流電気へ変換・電気機器へ供給といった機能のみです。 また、未使用の電気は蓄電できないため売電されますが、発電できない夜間は買電しなくてはいけません。蓄電池を導入すると 夜間の買電量を抑えられるので、節電になります。 3. 災害時に大活躍! 次に蓄電池は、災害などによる停電時にも活用できます。蓄電容量分しか使用できませんが、10kwhの場合24時間前後は 冷蔵庫・モバイル機器(合計電力10kwの家電と想定)へ電気を供給可能です。 大規模地震や台風などによって、1週間以上の停電が想定されます。また、自治体や企業による復旧作業にも時間がかかるので、 個人で出来るエネルギー対策にも力を入れましょう。 まとめ 蓄電池についてお話ししましたがいかがでしたでしょうか。太陽光発電システムと蓄電池をセットする事で供給する電気を蓄える事ができ、 使用量の多い時間帯に放出することで電気代高騰でお悩みの方にとって電気代を抑えられ大きなメリットにつながります。 さらに蓄電池の使用によって、二酸化炭素やその他の有害物質の排出が減少することが期待できます。 今現在、蓄電池のコストが下がってきており長期的に見ればコスト削減につながりますので是非、蓄電池を検討してみてはいかがでしょうか。
2023.3.30
-
環境問題の取り組み RE100
環境問題の取り組み RE100 現在多くの企業が使用している電力は火力や原子力で発電された電力です。しかし、火力で電力を 発電することで、大量の温室効果ガスが発生し、地球温暖化を加速させる原因となり、産業で使用 している電力は世界中で消費する電力の約半分を占めると言われています。企業の使用する電力が 地球温暖化を加速させ、大きな影響を与えています。一方で太陽光発電や風力発電といった再生可能 エネルギーは、気候による変化はありますが発電費用が急高騰することはありません。このような状況 から脱炭素社会を目指すため、企業が使用するエネルギーを見直すためにRE100が発足されました。 ◇もくじ RE100とは RE100 加盟条件 再エネ100宣言 RE Actionとは 再エネ100宣言 RE Actionの参加条件 まとめ RE100とは RE100(アールイーワンハンドレッド)とは「Renewable Energy 100%」の略称です。 RE100は、環境問題に取り組む国際環境NGO団体「The Climate Group」と「CDP」の協事業活動で、 2014年にイギリスで発足した国際的な取り組みです。 世界で影響力のある企業が、事業活動で使用する電力を100%再エネにすることで、再エネ市場を 拡大させCO2排出量を削減することを目的としています。 例えば、自社で太陽光発電を設置し、発電した電気だけで事業に必要な電気を全て賄えば100% 達成ということになります。 消費する電力の全てを再生可能エネルギーで賄うRE100は世界的な流れとなったSDGsの目標達成のために 必要な取り組みで、大企業だけの話ではなく環境対策は中小企業も達成しなければならない目標と言えるでしょう。 RE100 加盟条件 世界的に認知度や信頼度の高い企業であること 電力消費が100GWh(日本では50GWh)以上であること RE100の目的に貢献できる特徴や影響力を持っている企業であること フォーチューン1000またはそれに相当する主要な多国籍企業であること RE100が大企業向けなのに対し、中小企業でも参加できる日本国内の取り組みがされています。それが 中小企業でも参加できる再エネ100宣言 RE Actionです。 再エネ100宣言 RE Actionとは 再エネ100宣言 RE Actionとは2019年10月に、グリーン購入ネットワーク(GPN)、イクレイ日本(ICLEI)、 公益財団法人 地球環境戦略研究機関IGES)、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)の 4団体によって「再エネ100宣言 RE Action(アールイーアクション)」が発足しました。これは、企業、 自治体、教育機関、医療機関などが使用電力を100%再生可能エネルギーへと切り替える意思と行動を 示すための連合体になります。 RE100は中小企業にとってハードルが高いため、RE100に比べるとハードルが低い 「再エネ100宣言 RE Action」を選択する方が現実的です。 中小企業も環境対策に、電力購入や自家発電設備の設置などで再生可能エネルギーを 積極的に導入することを中小企業も求められ、それに向けて行動する必要があります。 再エネ100宣言 RE Actionの参加条件 2050年までに使用電力を再エネ100%にすることを目標設定し、公表すること 再エネ推進に関する政策エンゲージメントの実施をすること 消費電力、再エネ達成率などを毎年報告すること 以上の条件を満たして、再エネ100宣言 RE Actionを掲げることができます。 これにより、脱炭素化に向けて取り組んでいる企業であることをアピールでき、環境やSDGs への配慮がイメージアップし、RE100加盟企業との交流も期待できます。 まとめ 世界的にも注目されているRE100の取り組みは、SDGsの目標達成の為にも必要な取り組みです。 この目標達成は大企業に限った話ではなく、中小企業にとっても達成しなくてはならない必達目標 となりました。しかし、RE100の加盟はハードルが高い面も多々あるため、先ずはRE100宣言 RE Action などを検討するのが効果的な環境対策と言えるでしょう。この世界的な動向から、環境対策は更に注目 され再エネ100%に取り組むため、太陽光発電設備の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
2022.12.27