NEWS・COLUMN
新着情報・コラム
企業が太陽光を導入する前にチェックすべき5つのポイント
2025.9.8
はじめに
電気代の高騰や脱炭素の流れを受け、企業にとって「エネルギーコストの見直し」は避けて通れない課題となっています。
その中で注目されているのが太陽光発電の導入です。自社の屋根や敷地にパネルを設置することで電気代を削減でき、さらに環境経営への取り組みを社外にアピールすることも可能です。
しかし、太陽光発電は“ただ設置すればいい”わけではありません。導入後に「思ったより発電量が少なかった」「メンテナンス費用が予想外にかかった」とならないよう、事前に押さえておくべきポイントがあります。
今回は、企業が太陽光を導入する前に必ずチェックしておきたい5つの視点をご紹介します。

ヒント|導入前に確認すべき5つのポイント
1. 設置環境(日当たり・屋根強度・敷地条件)
太陽光パネルは“置ければいい”というものではありません。屋根の向きや角度、周辺の建物や木々による影の影響で発電量は大きく変わります。また、古い建物では屋根の耐久性や耐荷重の確認も不可欠です。
<理想的な設置条件の例>
屋根の向き:南向き
屋根の角度:30度前後
周辺環境:高い建物や木がなく影の影響が少ない
広さ:十分なパネル枚数を確保できるスペース
⇒ 専門家による現地調査で「自社にとって最適な設置環境」を確認しましょう。
2. 初期投資と回収シミュレーション
太陽光発電は、数百万〜数千万円規模の投資となるケースもあります。重要なのは「どのくらいで投資回収できるか」をシミュレーションすることです。
「数字で見える化」することで、経営判断がしやすくなります。
3. 補助金や税制優遇の活用
国や自治体では、太陽光発電導入を後押しする補助金や税制優遇が整っています。代表例としては、「導入時の補助金」「即時償却」や「固定資産税の軽減」などがあります。
⇒制度は毎年変更されるため、「どんな種類の支援策があるか」を押さえたうえで必ず最新情報を確認することが重要です。
4. メンテナンス体制
太陽光発電は“メンテナンスフリー”ではありません。定期的な点検やパネル清掃、機器の交換を怠ると発電効率が低下し、投資回収に影響します。
<メンテナンスの目安>
定期点検:年1回
パネル清掃:2〜3年に1回(粉じんが多い地域は毎年)
パワーコンディショナー交換:10〜15年ごと
常時監視システム:異常の早期発見に有効
⇒ 「誰が・いつ」対応するのかを事前に決めておくことで、長期的に安心して運用できます。
5. 将来の電力需要
現在の使用量だけでなく、今後の事業計画に伴う電力需要増加も見据える必要があります。
<検討ポイント>
工場・事業所の増設予定
EV社用車や電動機器の導入
高負荷設備の追加
DX推進による機器稼働時間の増加
⇒ 「10年後の電力ニーズ」を見越して余裕を持った設計をすることで、後悔のない投資につながります。

まとめ
太陽光発電は、単なる節約策ではなく、企業経営における中長期的な戦略のひとつです。
電力コストの削減にとどまらず、環境経営の推進や事業継続性の強化といった観点でも大きな価値を発揮します。
導入にあたっては「設置環境」「投資回収」「制度活用」「メンテナンス」「将来の電力需要」という5つの視点を押さえておくことが欠かせません。
これらを整理することで、導入効果をより確実なものにできます。
今後のエネルギー戦略を考えるうえで、今回のチェックポイントを社内検討のベースにしていただければ幸いです。